月別: 2016年10月

『厚生の指標』に論文が掲載されました

三澤仁平・千葉宏毅・尾形倫明・たら澤邦男、2016、「東日本大震災の被災3県の在宅療養支援診療所における活動状況の推移―震災前後の比較―」『厚生の指標』63(12):27-33

上記の標題で掲載されました。
東日本大震災の影響をうけた岩手県、宮城県、福島県にある在宅療養支援診療所をい対象とした質問紙調査を実施し、震災以前と震災後の活動状況を比較した論文です。
人的資源や連携、看取り数の実績が震災前よりも増加している傾向が見られました。この背景には、これら地域コミュニティの豊かさといった地域性が関連している可能性が示唆されました。

第89回日本社会学会大会で報告してきました

2016年10月8~9日に、九州大学伊都キャンパスで行われた第89回日本社会学会で
「社会経済的不安と健康志向との関連──東北6県居住者対象の社会調査の分析──」のタイトルで
口頭発表してきました。

リスク社会という現代社会は〈不安〉が大きなキーワードです。
そこで、社会に対する不安を持つことが、健康を志向することとどのように関わるかを
東北6県住民対象の社会調査データを使って分析しました。

男性は階層帰属意識が低いこと、
女性は経済不安があること、
が健康志向と負の関連があることが明らかになりました。

社会的に脆弱な層は健康を志向していない、つまり社会的位置が上の人ほど健康志向していることから、
健康格差の拡大の危険性や、
社会的位置が上の人たちによる生権力構造が起こりえる可能性を指摘しました。

フロアからは、
高い社会的位置の人たちにおける将来割引率による健康志向、という考え方はできないか、
健康志向の質問の仕方、
〈不安〉概念の曖昧さ、
社会階層における〈不安〉の効果があまり大きくないこと、
婚姻状況の影響、などの質問やコメントをいただきました。

これらのご指摘をふまえて、
今後もより詳細に、〈不安〉と健康との関係を検討していきたいと考えています。